私はいかにして漫画編集者なったか

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私はいかにして漫画編集者になったか

たいそうな始まりですいません。

漫画編集志望者のための就職・転職裏入門というのをこれから書こうと思いますが、

まず「お前、誰なんだよ?」というのがあるかと思います。

※結論へすっ飛びたい方はこちらへどうぞ
登録必須の転職就職サイトはこちらから!

私が何者か分からないと情報も信用できないと思いますのでまずは簡単に自己紹介を。

自己紹介

田中聡(タナカサトシ)

学歴
都立新宿高校から早稲田大学法学部(一浪一留)

主な仕事
「マンガエロティクス」(太田出版)編集長
「メロメロ」編集長(宙出版)(ここで連載していただいた中村明日美子さんの「ダブルミンツ」は映画にもなりました。BLですね)
「月刊ヒーローズ」編集長(ヒーローズ)(アニメ化された「ULTRAMAN」の連載立ち上げなど創刊準備から関わりました。小学館の関連会社です)
小学館の子会社であるアイプロダクションのデジタル事業部部長として、「オネエ失格」「イジメラレ体質」などを産んだ黒ひめコミックの編集長など。

現在は独立して、WeComixという会社を作ってマンガを中心に編集の仕事を続けています。

最近(2019年)では「泥の女通信」にくまん子ほか一般作からティーンズラブ、ボーイズラブまで幅広く担当しています。

私は、太田出版時代からを含めると、もう20年あまり、新人の採用面接もしてきました。

なんて、書くとなかなかの経歴に一見見えますが、太田出版に転職した時、すでに27歳で、それ以前はここに書いていない仕事もいくつかしておりました。

長くて1年半で、さくさくっと転職を重ねました。

30年前はそういう人、まだまだ少なったんですが、幸い太田出版はほぼ全員転職組だったので、問題ありませんでした。

編集者は給料が飛び抜けていい小学館・講談社・集英社などの大手有名出版社以外は結構転職の多い世界です。

転職回数はこれまでに7回くらいでしょうか。。。ちゃんと数えないと自分でもわかなくなっています。

会社によってはそこですでにNGの転職経歴ですが、出版業界では実績さえあれば、特に問題になりません(と思います)、はい。

最初から漫画編集だったわけではない

最初の就職からマンガの仕事に就いたわけではなく、3社目の転職で潜り込んだ大手の出版社の系列会社でたまたま、コミック単行本の編集担当になったことが最初のマンガ編集経験です。

最初はノンフィクションの編集をしたかったんです。

校正記号なんかの最低限の知識は3か月ほどで脱走した最初の雑誌編集部で短期集中徹夜続きの生活の中で詰め込みました。

太田出版では、たまたま漫画経験者がいなかったので、

「お前やれ」

ということで漫画編集を始めました。そんなもんです。

ただ、元々、漫画はすごく読んでました、小さい時から。しかも3つ上にまたまたこれも漫画大好きの姉がいたので、「りぼん」をはじめとした少女漫画を当時の男子では珍しく、どっちゃりと読んでました。単に、今みたいに遊びが多くなくて暇だっただけなんですが、これが良かったですね。

そんな感じで、たまたまがつながって、漫画編集者としては裏街道を進んで来たんですが、気づいたらなんかあれ、表通りに出た?と思ったらまた裏通りに…みたいな経験をしてここまでやってきました。

そんなですので、ここで書くことは主に、「大手の出版社の漫画編集になるためのノウハウ」ではなく、「何とかして漫画の業界に潜り込んで、マンガ編集者になるための裏技」的な転職・就職法だと考えていただければと思います。

私のように裏街道を歩んでも、全国月刊漫画雑誌の編集長になれる時代です。

IT系もあります。

新卒でどこに就職するかで人生の大半が決まったりはしない、いい時代になりました。

しばらくしたら、私が在籍していた会社や知り合いの社長がよく使う必須の転職サイトも上げますので参考にしてみてください。
できるだけいろんなサイトに登録したほうがいいのですが、その理由も。

では、前置きはこれくらいにして、なるだけ分かりやすく、ぶっちゃけていきましょう!!

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とにかくどっか出版社とか編集プロダクションに潜り込め!

 まあ、無責任!なんて言わないでくださいね。

あなたが新卒だったり、他の業種に勤めているとしたら、最悪マンガの会社じゃなくてもいいので、とにかくどっか編集関係の会社に就職して業界に潜り込みましょう。

校正記号だとか、入稿の基本とか、原稿の扱いとか、編集の基礎的知識は、そんなに変わらないので、漫画編集以外でも編集者の勉強になります!

漫画以外の編集もできるのはかなり有利です。

漫画だけをやってきた編集者って、恐ろしく漫画編集以外のことを知らなかったり、人付き合いが社会人としてなっていなかったりすることが普通ではない確率であるので、漫画以外の常識的な経験はけっこう武器になることがあります。

ちなみに私も小説の編集や、ギャンブル雑誌の編集など、雑多な仕事をしておりました。

そこで身に着けた編集技術はのちのち非常に有効なものでした。

そこから漫画編集者への転職や軌道修正は意志があれば可能です!

仮に大手出版社に就職できたとしても、漫画編集部に配属されるかは分かりません。

ちなみに逆パタンももちろんあります。

私の友人は、そこに行きたかった人が聞いたら怒っちゃいますが、少女漫画編集になりたかったわけではないのに、某少女漫画編集部配属から30年、編集長までなりました。
あいつは少女漫画に向いている…という上司の判断が正解だったのでしょう。
フランスへ留学経験があったので、

「お、フランス語できるやつひとりくらいいても」

ということだったのかもしれません。

 なんでもできたほうが絶対得!芸は身を助けることが編集者にはしばしばあります

時間があれば、web制作の勉強などもすると、未経験者は差別化ができますよ。excel,wordくらいは今ではごく当たり前なので、photoshop,illustratorなどがいじれると有利です。

私は、もう10年以上前に会社を辞めた時、ハローワークの職業専門学校へ通って、web制作の勉強をちょっとしました。当時は今みたいになデジタルの世界になるとまでは思っていませんした。自分でサイト作れたらいいなあ、というくらいでした。でも結果として、まだアナログ人間の多かった編集者の間ではネットに詳しいほうになりました。

出版以外の業種へ入ってしまったら

もし、出版以外の違う業種へ就職してしまったら、いい大学を出ているとか、前職ですごい結果をだしているとか、クリエティブに関わる仕事をしているとか、コミケに欠かさず通っているとか、なんか採用側が「お」っと思うところないとこれはなかなか厳しいっす。

就職面接に長年立ち会ってきた立場から言うと、やはり少しでもクリエティブ経験はあったほうがいいですし、そっちを重く見てしまいます。

それは、能力の部分というより(能力って面接ではあんまり分からないです)、「普通に生きられない」というサガみたいなものが、やっぱり新しいものを生み出す編集者には必要だし、そういう人の方が結果を出しているなあという経験値が採用側にあるからです。

ない人はじゃあどうすんのよ?と言うと、そういう人は面接の時だけでなく、転職の志望書とか出す場合にもとにかく過剰な熱意を出しましょう。

だってすでに、後からスタート、負けてもともと、失うものなしなんですから。

あと、熱意はタダ!

企画書の2、3本勝手につけるとか、飛び込みで求職するとかそれくらいないと勝てないですよ~。

ちなみに、漫画編集者以外から転職してきた人で、今もバリバリマンガ編集している人には、元ダンサー、元ビジネス書編集者、元アニメ制作関係、それから元マンガ家志望者、それから元ディズニーランド勤務なんて人もいました。

やはりクリエイティブ関係がほとんどです。

その人たちが本当にクリエティブなのかは分かりませんが、クリエティブの匂いを嗅いでいる、ということは案外重要です。

そうでない人はガッツ出してください。ガッツは令和のデジタル時代でも重要です。

学歴は、大卒が多いですが、高卒でも熱意と実績があればいけます。

実際大ヒット出している人、デジタルコミックでは普通にいます。

 特に、TLやBLなど、萌えや女子力が勝負の分野は学歴<人柄<ガッツ<能力みたいな感じです。(俺マーケティングですが)でも、人柄も結構重要。人相手の商売ですから。



とにかくいろんな転職サイトへ登録しろ!

経験者で転職志望者もちろん、そうでない人も、仮に今すぐそのつもりがなくてもどうしても漫画編集をしたいなら転職サイトに登録することを 絶対お勧めいたします!!!

なぜなら…人手が足りない上向きの会社は、求人広告だけなく、常に転職サイトの登録から、いい人を探して一本釣りしているんです~!!

これは某社の社長から直接酒飲みながら教えていただいた話です。

 「一本釣りのダイレクトメールのほうが良い人採れるのよ~グフフ」ということです。

世の中、ビズリーチなんです、ホントに。

なので、今は転職を考えてない経験者も、いいオファーがいつ舞い込むか分からないので登録だけもしておくことをお勧めいたします。

社長が必ず使う登録必須のサイトはこちらです!

未経験者はアルバイトも登録しましょう。編集業界はアルバイトから契約、正社員というのは割と普通のルートです。

会社側の都合ですが、この商売、向き不向きの最終的な判断は、「使ってみないと分からない」というのが本音です。なので、採用のリスクを減らすため、最初はアルバイトで就業してもらって…となることも多いのです。

ですので、アルバイトから潜り込む!というのはありありというか、むしろ狙い目なんです。待遇は結果を出せばついてきます!

転職回数ってどうなの?ということを気にされる方も多いとは思いますが、
出版業界の裏口ではあまり問題にされません。

大手のお給料たんまりの出版社はほとんど人がやめませんが、中小、編プロでは転職回数はそこまで気にしません。だって私、7回ですよ。(一応、結果は出してきましたがさすがにうちどめでしょうか)



とにかくまずはデジタル系を狙え!!

デジタルコミックは2019年現在、まだまだ右肩上がりで、今しばらくはその傾向が続きそうです。

そう、デジタルコミック業界は、編集者はもちろん、配信サイトやアプリの会社でも人手が足りません。いい人、取り合いなんですよ。

経験者は人手不足なので、未経験者でもがんばれば、入り込む余地はあります。

漫画編集者になるのが、経験者でないので難しいYO~という人でも、配信サイトやアプリの会社に就職すれば、漫画の仕事に関わるチャンスがこれまでよりたくさんあります。

編集以外にも漫画に関わる仕事はたくさんあります。

上場している会社も多いので待遇も悪くありません。

漫画の編集プロダクションなどから、IT系へ人が流れる傾向が実際にあるのですが、主な理由は、上場とか夢のまた夢の編プロの待遇の悪さに比べて、IT系の待遇がいい(悪くない)ということにつきます。

編プロには一部、まだまだブラックな会社があるのが事実

元々残業多い、休日出勤多い、という出版業界ですが、中でも下請けにあたる編プロはブラックでしょうそれは!(と私は思う)という会社もまだあります。 

ただ、そんなとこでも一年くらい修行を積めば、次へのステップになるので、とにかく潜り込んで実績を作るのも未経験者の場合はありです。というか、それくらいのリスクは取りに行け!と個人的には思います。昭和の編集者なので。

経験者は、まあ行ってはいけないキケンな山には登りません、はい。みんな知っているので。でも未経験者はルートを自分で開拓です。

そんな黒い部分もまだまだ残っている漫画編集業界ですが、それと比べると、上場会社や、上場を視野に入れている会社も多いIT系は、比較的、福利厚生や労働時間がしっかりしているように、仕事をご一緒していて感じます。しっかりしているよ・う・に、ですが。

少なくとも徹夜はしてないね~。今は昔に比べると徹夜ほぼないですけどね。

というわけで、出版社にこだわらず、IT系の配信会社やアプリのスタートアップで漫画の仕事に就く、という道、こちらのほうが未経験者には向いているかもしれません。

編集者だけにこだわらず、IT系で漫画に関わるお仕事に就くというのもありだと思いますし、そこから出版社に転職して編集になった方ももちろんいます



とにかく未経験者の面接のテクニックは「ガッツだぜ!」

ガッツ…昭和ですか?と言わないでくださいっ!

もちろん、ガッツだけではまだ足りません。

転職成功者の体験をネットで探すなどして、それも参考にして隠し味にしましょう。

また、積極的な発言や質問、頼まれていない企画を出すなど、

「頼まれてもいないことをやる」というのがこの仕事は大事です。

個人で動くことが多い仕事ですので、一人で動ける、勝手に働く「ルンバ体質」は喜ばれます

ただし、勝手に働くと勝手なことをやるのは違うので注意してくださいね。

勝手なことをやるのは異常なまでに嫌われます。

あとはマイナスの経験もプラスです。どい目にあったこと、大失敗したこと、恥ずかしいことなどはプラスに転じます。面接では強力な武器になることもあります。

ひどい話が金になる業界ですから。

幻冬舎の見城さん曰く、「ヒンシュクは金を買ってでも買え!」ですから。(見城さん、部数公開問題でヒンシュク買いすぎて破産しちゃいましたが…)

何せこれから付き合う相手は漫画家です。普通の常識人ももちろん多いですが、そういう人でさえ、締め切り時などには狂人化する世界です。

普通の会社で普通に仕事をしてきたことは、編集者としては「ふ~ん」です。

でもやりすぎはいかんので、そこは各自節度を持ってください。

ちなみに私の場合、若い時は失敗談やひどい目にあった談で採用され(もちろんそれだけじゃないと思いたいですが…)、のちは、実績と修羅場経験指数の高さで採用していただいていたと思います。

まあ、とにかく、この仕事をやりたい奴が集まってくる業界です。

やる気があっても、それが見えない人は、なかなか厳しい。

人間関係命の商売です

編集者の仕事って、作品を作ることももちろん重要ですが、うちで仕事しませんかと著者を口説いたりと、営業的な側面も結構強い商売です。

人当たりの悪い編集者で成功している人は、「編集の実」を喰ったのか!?というような例外的な能力者だけで、それ以外はロクなことになっていません。人間関係、信用第一の商売です。

西原理恵子さんの漫画やエッセイに出てくる編集者、あれははなからの異常者というか社会不適合者みたいなものなので、真似をするとキケンです。


それでも漫画編集者を目指す人へ

デジタルの時代になり、漫画の編集はかつてのように紙の雑誌の編集部に所属しなくても、一本一本で仕事になるという、新しい時代に突入いたしました。

紙命のおっさんたちが何を言おうと、有無を言わさずそういう時代なんです。

私も、今は会社を辞し、一人で仕事をしています。
雑誌の編集仕事はしておりません。

単品の積み重ねで仕事をしています。

IT系の企業にはベテラン編集者がほぼいないので、わりと重宝されています。

デジタルになって、雑誌の編集部に所属しなくても仕事できるし、印税をいただける仕事も増え、フリーも成立しやすくなっているのではないでしょうか。

若くて力のある編集の方で、小さい会社にいる方など、とっとと独立したほうがドカンと稼げるのになあと思ったりもします。

ちなみに大手出版社の仕事で担当作品がデジタル配信でヒットすると、1作だけで編集印税が月100万を越えることもあります。本当ですよ。私はまだもらってませんけどね、いつか。。

もちろん大手出版社に入社できれば、給料もいいし、社会的ステータスも高いというのは今もありますが、デジタルの時代は、そうでなくても漫画編集者として成功する道は随分と増え、門も広くなりました。いろんな意味で夢も見られる仕事です。

ティーンズラブ、ボーイズラブといった漫画の編集から入って、一般作品を手掛けることも普通に可能な世界です。

面白い漫画を作りたい、新しい漫画を作りたいという人が沢山入ってきて、より良い業界になっていくことを楽しみにしています!

最後になりますが、質問があればコンタクトフォームから遠慮なく質問してください。

差し支えなければ、他の人にも参考にしていただけるよう、Q.A.ページに使わせていただきます。もちろん、身元は分からないようにいたしますのでご協力いただければ幸いです。

個別の相談にもできる限り乗りますのでこちらもコンタクトフォームからご連絡ください。

では皆様の転職就職が上手くいきますように!

登録必須の転職就職サイトはこちらから!

WeComix田中拝

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